アパマン経営は相続に有利であるそうですが、相続税の節税メリットを教えてください。

相続税の効果的な節税方法のひとつに、個人が自分所有の土地に自分名義の賃貸マンションを建てるという手法があります。

これは、賃貸マンション建築時の「土地の評価減効果」「建物の評価減効果」「借入金の債務控除」のそれぞれを組み合わせた効果によります。

例えば相続税評価額1億円の土地に1億円の賃貸マンションを全額借入金で建築、その地域の借地権割合50%、借家権割合30%、新築建物に対する固定資産税評価額の割合を50%とすると、土地の評価減▲1500万円、新築建物の評価+3500万円、借入金の債務控除▲1億円で、全体で▲8000万円の相続税評価額の減額となりその分大きく相続税を減らすことができるわけです。(1年目に相続が発生した場合)

なお、不動産の相続税評価額は物件ごとに異なりますし、配偶者の有無、子供の数などによって、相続税対策効果は異なりますので、自分のケースに応じて、きちんと相続税対策効果を把握することが重要です。

家賃保証制度はどういうものでしょうか?活用する際の注意点などはありますか?

家賃保証制度では、空室期間の家賃が保証されますので、空室の有無に関わらずオーナーには毎月一定の保証家賃が支払われる、安定収入を得ることができるシステムです。

しかしながら、「2年ごとに賃料改定を行う」などの条項が盛り込まれている場合などでは、必ずしも当初の家賃が永久に保証されるわけではありませんので、計画当初の段階で適切な賃料設定がなされているかどうかをチェックすることが重要です。

2年後の家賃見直しが気になる場合は、契約更新の概念がない「定期借家契約」で家賃保証契約を結んだり、「公正証書」を取り交わすという手法もあります。

不動産価値評価において収益還元法がこれからは主流になると聞いたのですが、どういうものなのですか?

不動産の価値は、単にその不動産を所有するだけで生じてくるものではありません。
その不動産を第三者に賃貸したり自己の営業用に利用したりして、初めて恒常的にお金が手元に入ってくることになるわけです。このように、将来不動産が生み出すであろう収益をもとにその不動産の価格を求めようとする方法を「収益還元法」といいます。

細かく分類すると、収益還元法には、不動産を長期に保有する場合に適している「直接還元法」と、一定期間(例えば10年など)投資する場合に適している「DCF法」(Discounted Cash Flow)があります。

直接還元法は、ある一期間の純収益(総収益から総費用を控除した残額)をある一定の利回り(これを「還元利回り」とう)で割ることで収益価格を求めます。還元利回りは一般的住宅では5〜7%、事業用は8〜10%が目安といわれますが、その時々の経済情勢等により変化します。

これに対しDCF法は、投資保有期間における純収益および将来売却時における売却手取額を現在価値に割り戻して(この比率を「割引率」という)求めた金額の合計額を収益価格とする方法です。一棟売り賃貸マンションを購入する場合、自己資金のほかに借入金を利用するのが通常ですので、割引率はその場合の投資資金のコストとも考えられます。この場合、割引率は自己資金に対する期待利回りと借入金利から計算されることになります。

不動産の価値も、単なる近隣相場ではなく、その収益力が重要になっているのです。

土地は保有しているだけで毎年コストがかかると聞いたのですが、どれくらいかかるのですか?

土地は所有しているだけで、毎年「固定資産税」が市町村より課税されます。
さらにその土地が都市計画で指定されている市街化区域内にあれば、都道府県より「都市計画税」も課税されます。
これらはその土地の固定資産税評価額をもとに計算され、標準税率は固定資産税1.4%、都市計画税0.3%となっています。(各市町村により異なります)
固定資産税評価額は、地価公示価格の70%を目安に決定されるといわれています。
なお、その土地が住宅用地であれば、固定資産税・都市計画税ともに軽減措置があります。

土地の譲渡の際にかかる税金について教えてください

5年超所有している土地を売却すると、その利益(課税譲渡金額)に対して20%の税金がかかります。(所得税15%、住民税5%)この場合の所有期間は、売却した年の1月1日時点で判断します。

税額計算のもとになる課税譲渡金額は、譲渡価格(売却価格)からその土地の取得費および売却の際に要した仲介手数料などの譲渡費用を控除して求めます。先祖代々から所有しているような土地で、実際の取得費が不明な場合の取得費は譲渡価格の5%となります。

居住用財産の売却や公共事業に協力するための売却のような場合は、そこからさらに特別控除(例えば居住用財産の場合3000万円)をマイナスしますが、通常の土地売買ではこれらの特別控除はありません。

賃貸併用住宅にすると、どんなメリットがあるのですか?

多額のローンを何十年間も払い続けることになる「マイホームの取得・建て替え」には多くの人が慎重になっているようですが、そのマイホームを賃貸併用住宅にすることでローン負担を大きく軽減でき、かつ将来の年金対策としても大きな効果を発揮するようになります。

賃貸併用住宅の場合、ローンが終了すると家賃収入はほとんどまるまる残るため、定年後の年金替わりとなります。またローン返済期間中に施主が死亡もしくは高度障害になった場合でも、ローンに団体信用生命保険が組み込まれていれば、その瞬間にローンは消滅、家賃収入はそのまま遺族年金替わりとなります。

相次相続があるから、安易に相続割合を決めてはいけないって言われたのですが、どういうことですか?

相続税が課税されるのは人生で1回だけとは限りません。 例えば、相当額の資産を持っていた父親が死亡したとします。通常は母親と子がその財産を引き継ぎますが、ここでまず最初の相続税が課税されてきます。これを一次相続といいます。
しかし、相続はこれだけで終わることはありません。
数年後にその母親が死亡すると、最初の相続時に母親が取得した財産は子に引き継がれることになり、ここで再び相続税が課税される可能性がでてきます。これを二次相続といいます。 このように相次いで相続が起きることを相次相続といいます。
(相続税においては、相続が一定期間内に相次いで起こった場合の税負担を軽減するため、相次相続控除という税額控除の制度が設けられています)

このようなプロセスを経てやっと親の財産が子に移るわけですが、この二度に渡る相続で発生する相続税がどれくらいの額になるのかによって、今後の不動産活用等の手法も大きく変わってきます。
今後の資産活用を総合的に考えていくためにも、まずは概算で二次相続までの相続税の総額を把握しておきましょう。

賃貸マンション建設を建てると固定資産税が減るって聞いたのですが・・・

雑種地に賃貸マンションが建設されると、その敷地となった土地は「住宅用地」となり、次のような特例が適用されます。

一戸につき200㎡(例えば6戸なら1200㎡)までの部分について、固定資産税が通常の6分の1、都市計画税が通常の3分の1に軽減されます。この部分を小規模住宅用地といいます。
一戸につき200㎡を超える部分については、固定資産税は通常の3分の1に、都市計画税は通常の3分の2に軽減されます。この部分を一般住宅用地といいます。これら軽減措置は、その賃貸マンションの床面積の10倍まで適用されます。
(ここでの土地面積は建物床面積の10倍以内と仮定して計算しています)
以上のように、賃貸マンションを建設しその賃貸事業をずっと継続している限り、その土地に毎年かかる税金を大幅に削減できます。

アパートを建設しようか、青空駐車場にしようか迷っているのですが、どうやって決めたらいいですか?

ひとくちに土地活用といっても、駐車場やアパート経営などさまざまな活用方法があります。
その土地から生み出される利益はそれぞれの活用方法ごとに異なり、また相続が発生した時の相続税評価額も違ってきます。
土地の活用方法はこれらを総合的に検討する必要があるでしょう。

● それぞれの活用方法別に事業採算性はどうなるか?
● 何年か後に相続が発生した場合、各活用方法別の相続税額はその時点でどれくらいになり、その間にその土地から生み出された納税準備金はそれぞれどれくらいになるか?

などをしっかり数値で算出し、比較することが必要です。

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